「ハァ、ハァ…苦しい…酸素が足りない…!」 ランニング中に息が上がった時、
あなたは無意識にどうしていますか?
おそらく、多くの人が「もっと酸素を取り込もう」として、必死に息を「吸おう」としているはずです。
こんにちは。Tomoyaです。
実は、その「吸おうとする意識」こそが、
あなたのランニングを苦しくさせている最大の原因かもしれません。
今日は、呼吸に関するちょっとした、しかし効果絶大な「コツ」をお伝えします。
それは、「吸う」のをやめて、「吐く」ことだけに全集中することです。
「え? 吸わなきゃ死んじゃうよ」 そう思ったあなたにこそ、このパラドックス(逆説)を知ってほしい。
これを意識するだけで、ランニング中のリラックス感と持続力が驚くほど変わります。
1. なぜ「吸う」より「吐く」が大事なのか?(科学的根拠)
私たちの体は、酸素がないと動きません。
しかし、なぜ「吸う」ことより「吐く」ことが重要なのでしょうか?
これには、呼吸のメカニズム(呼吸の科学)が関係しています。
肺をコップだと想像してください。
走って苦しくなるのは、コップの中が「二酸化炭素(古い空気)」で満タンになっている状態です。
水(酸素)を入れたくても、コップが満タンなら、それ以上入りませんよね?
私たちが「苦しい」と感じる正体は、実は「酸素不足」である以前に、
体内に溜まった「二酸化炭素を出し切れていないこと」が原因である場合が多いのです。
だからこそ、まずはコップの中身を空っぽにする(=吐き切る)必要があります。
しっかり吐けば、肺の中が陰圧になり、
人間の体の構造上、意識しなくても勝手に新しい空気が「吸い込まれて」きます。
「吸う」は自然の機能に任せる。「吐く」だけを意識する。 これが、楽に走るための鉄則です。
気になる方に向けて:私が参考になった本をご紹介します。

2. 「吐く」とリラックスできる理由(自律神経)
さらに、「吐く」ことにはもう一つ、ランナーにとって嬉しい効果があります。
それは「リラックス効果」です。
- 吸う息(吸気): 交感神経(緊張・興奮)を優位にする。
- 吐く息(呼気): 副交感神経(リラックス)を優位にする。
ランニング中に力が入り、肩が上がってガチガチになっている時こそ、
長くゆっくり吐くことで副交感神経が刺激され、無駄な力が抜けます。
結果としてフォームが安定し、エネルギー消費を抑えて長く走れるようになるのです。
3. 今日からできる実践テクニック:「歯を閉じて」吐く
では、具体的にどうすれば「長く、効率的に」吐けるのでしょうか?
本を読むよりも、実践で体感してもらうのが一番早いです。
私が実践しているコツを紹介します。
長く吐くための「バルブ呼吸法」
口角は軽く開けたまま、上下の歯を軽く合わせます
(「イー」の口に近い状態、あるいは軽く噛み合わせる状態)。
その状態で、歯の隙間から「スーーッ」と息を長く吐き出します。
歯が抵抗(バルブ)になり、一気に息が漏れるのを防いでくれます。
吐き切ったら、力を抜きます。すると自然に鼻や口から空気が入ってきます。
そして肺が膨れてくるのを感じると思います。
この「歯を閉じて吐く(または口をすぼめる)」方法は、
医療現場でも「口すぼめ呼吸」として呼吸を楽にするために使われる手法と原理は同じです。
気道に圧力をかけながら吐くことで、気管支が広がり、より多くの空気を吐き出すことができます。
4. 苦しくなったら、戻せばいい
もちろん、坂道ダッシュなどで極限まで追い込んでいる時に、これをやる必要はありません。
「苦しいな」「力んでいるな」と感じた時、ふとこの呼吸法に切り替えてみてください。
最初は『本当にこれで楽になるの?』と疑うかもしれません。でも、騙されたと思って『吐くことだけ』に意識を向けてみてください。
不思議と肩の力が抜け、足が前に出るようになりますよ。
ちょっと大袈裟に口をすぼめて、「フーーッ」と吐いてみるのも良い手です。
重要なのは、「自分から吸いに行かない」こと。
まとめ:呼吸を制する者は、ランニングを制す
- 苦しいのは「吸えない」からではなく「吐けていない」から。
- 「吐く」ことは、リラックス(副交感神経)のスイッチ。
- 「歯を閉じて吐く」ことで、自然と深く長い呼吸ができるようになる。
ランニングに限らず、生きるために呼吸は切っても切り離せません。
この「吐く」技術を身につけることは、ランニングのパフォーマンスアップだけでなく、
日常生活でのストレスコントロールにも役立ちます。
次のランニングでは、タイムや距離だけでなく、ぜひ「吐く息」に意識を向けてみてください。
その「リラックスした一歩」が、あなたのランニングをより良い未来へと運んでくれるはずです。
呼吸の科学の本は、少し難解ですがとても参考になります。






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