頭の中が”ごちゃごちゃ”なあなたへ。ランニングで思考を整理し「今、ここ」に集中する方法

2025年9月15日

【プロローグ】あなたの頭の中は、常に”満員電車”のようではありませんか？

過去への後悔、未来への不安、鳴り止まないSNSの通知、終わらない仕事のタスク…。

私たちの頭の中は、まるで朝の満員電車のように、思考のノイズでぎゅうぎゅう詰め。
息が詰まり、自分が「今、ここ」にいないような感覚に陥ることはありませんか？

「瞑想がいい」と聞くけれど、じっと座っているのはどうも苦手…。

もし、あなたがそう感じているなら。その思考の満員電車から降りて、心を静寂に取り戻すスイッチが、あなたの足元にあるとしたら、どうでしょう。

Tomoya

こんにちは。かつては僕も、日々のプレッシャーによる閉塞感で、
うまく呼吸すらできない感覚に悩まされていました。

そんな僕を救ってくれたのが、「走る瞑想」とも言える、ランニングの持つもう一つの顔でした。

この記事では、ランニング＝体育会系というイメージの裏に隠された、驚くべき精神的な効果について、僕自身の体験談と、揺るぎない科学的根拠を交えながらお話しします。

僕には、仕事や人間関係のストレスが溜まると、決まって現れる症状がありました。
胸のあたりがキュッと締め付けられ、息が詰まり、肺が苦しくなる閉塞感です。呼吸が浅くなり、集中力は散漫に。最高のパフォーマンスを発揮できない自分に落ち込む、負のループでした。

そんな時、僕はわらにもすがる思いで、外へ走りに出かけます。

始めは、やはり窮屈で息苦しい。しかし、一定のリズムで腕を振り、足を前に出し、自分の呼吸の音だけに耳を澄ませていると、不思議なことが起こります。
カチコチに固まっていた胸の凝りのようなものが、ゆっくりとほどけていくのです。

浅かった呼吸は、深く、大きなリズムを取り戻す。新鮮な空気が肺いっぱいに満ちていく感覚。

走り終えてシャワーを浴びる頃には、心身の澱（おり）がすべて洗い流され、
まるで「1日がもう一つ増えた」かのように、リフレッシュされた新しい自分がそこにいました。

これこそが、僕が体験した「走る瞑想」の入り口でした。

「それは、あなたの個人的な感想ですよね？」いいえ、違います。

僕が感じたこの効果は、今や脳科学、心理学、生理学の各分野で、明確に証明されています。

ランニングに瞑想やマインドフルネスの効果はありますか？

はい、科学的に証明されています。

ハーバード大学などの研究で、ランニングは瞑想と同様に脳を変化させ、ストレスを軽減し、集中力を高める効果があることが分かっています。

科学が解き明かす3つの効果

① 脳が、文字通り”瞑想モード”に変わる

驚くべきことに、ランニング中の脳は、瞑想実践者の脳と非常に似た活動パターンを示します。

雑念を生み出す「デフォルトモードネットワーク（DMN）」の活動が静まり、注意力を司る「前頭前野」が活性化するのです。（ハーバード大学, UCLAの研究）

② 心が、ネガティブな思考の”沼”から抜け出す

ランニングと瞑想を組み合わせたプログラムで、うつ症状が40%も減少したという研究があります。

特に、自然の中を走ることは、私たちの疲れた注意力を回復させ、ネガティブな考えの繰り返し（反芻思考）を断ち切る効果があります。（ラトガース大学, ミシガン大学の研究）

③ 体が、自ら”幸福物質”を生み出す

リズミカルな運動であるランニングは、ストレスホルモン「コルチゾール」を減少させます。

さらに、「ランナーズハイ」の源であるエンドカンナビノイドは、瞑想時の至福感と同じ神経経路を活性化させることが発見されています。

体の中から、穏やかで幸福な状態を作り出すのです。（スタンフォード大学, トロント大学の研究）

では、どうすればこの「走る瞑想」の効果を最大限に引き出せるのでしょうか。難しいことは何もありません。たった3つのことを意識するだけです。

①デジタル機器を置いていく: 楽も、ポッドキャストも、今日はオフ。聞こえるのは、あなたの足音と、呼吸と、周りの環境音だけです。
②「呼吸」に意識を向ける: 吸って、吐いて。その繰り返されるリズムに、意識を集中させてみましょう。呼吸が浅くなっているか、深くなっているか、ただ観察します。
③「体の感覚」を味わう: 足の裏が地面に着く感覚、腕が空気を切る感覚、風が肌を撫でる感覚。評価や判断をせず、ただ「今、ここ」で起きている感覚を味わい尽くします。