いつもは6時台に走る朝ランを、今日はたまたま9時台に。
少しの時間帯の違いが、まるで別の季節に迷い込んだかのような空気感を連れてきました。懐かしい匂いと記憶がそっと胸の奥をたたく。
その瞬間の気づきと、そこから生まれた小さな哲学のメモです。
6時台から9時台へー
空気は同じで、景色は違う 6時台の空気は、肌にひんやり、澄んだラインが引かれている感じがします。
一方で9時台は、日差しが起きて輝きを放ちだす。
ムシムシとした厚みの中に、いろんな匂いが混じり合って流れてくる。時間帯がわずかにずれるだけで、世界の輪郭が変わるのを体で知りました。
匂いが呼び戻す記憶と、思い出の手ざわり
走り終わりに大きく呼吸をすると、木々の青い匂い、家屋の塗料の匂い、草や土の湿った匂いが、ところどころから立ちのぼってきました。
あなたも昔、部活動で運動したあと、精一杯呼吸していませんでしたか?
汗の塩味、夏の白い日差し、あの独特のムシムシ感。今日の匂いは、あの頃の空気と微かに一致し、思い出の扉が音もなく開くのを感じました。
年を重ねても、この空気を「感じられる」ことが嬉しい。匂いは、記憶の鍵だと改めて思います。
忘れているのではなく、眠っているだけ—
記憶の哲学
認識としては忘れていることも、記憶のどこかに眠っている。ふとした匂いが、静かに呼び名を囁く(ささやく)まで。記憶は消えない。
ただ、出番を待っている。
そう気づくと、過去は「戻らない」ものから、「折に触れて戻ってきてくれる」ものへ変わります。匂いは、その橋渡し。
初心忘れるべからず—
今の自分に刻む記録を 今日の空気感は、あの頃の自分よりも「今の方が良い」と言える記憶を作ろう、と背筋を伸ばさせてくれました。
初心忘れるべからず1。
何のために走るのか、なぜ朝を選ぶのか。目的を澄ませて、一歩ずつ積み重ねていく。その繰り返しが、未来の自分の支えになるはず。
未来への手紙—
10年、20年先の朝へ 願わくは、10年後、20年後のある朝、また走りながら今日の気持ちを思い出せますように。そのときは今日よりも少しだけ凛2として、また新しい初心を胸に刻めますように。
時間帯が少し違うだけで世界が変わるなら、今の一歩もまた、未来の世界をそっと変えてくれるはずです。
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