「もう、止まってしまいたい…」
足の痛みよりも、呼吸の苦しさよりも、ランナーの心を容赦なく蝕む、この悪魔のささやき。 あなたも、この声と闘いながら、アスファルトの上で孤独な一歩を進めているのではないでしょうか。

はじめまして!このブログを運営するTomoyaです。
大丈夫です。その感覚は、あなたが真剣に走っている証拠です。 そして、その「心の壁」は、少しのコツで、驚くほど簡単に乗り越えることができます。
この記事では、僕が長年のランニングの中で見つけ出し、今でも実践している、心が折れそうな時に自分を最後まで運び切るための、3つの実用的な「思考法」を紹介します。
思考法①:自分の「影」を、ペースメーカーにする


これは、僕が夕暮れのランニングで頻繁に使う、少し不思議なテクニックです。
太陽が傾き、あなたの影が長く伸び始める。その影は、あなたがどれだけ疲れていても、文句一つ言わずに、常にあなたと共に走り続けてくれます。
そして、ふとした瞬間、その影が、まるであなた自身を追い抜くかのように、ほんの一歩だけ先を行っているように見える時があります。
その瞬間を、見逃さないでください。 その影を、追いかけるのです。
「あと一歩だけ、影に追いつこう」
そう思うだけで、あなたの足は自然と前に出ます。影は、決してあなたを置き去りにはしません。それは、あなただけの完璧なペースメーカー。このシンプルなゲームに没頭しているうちに、あなたはいつの間にか、ゴールまでたどり着いているのです。
思考法②:思考を「一本道」に、限定する


疲労がピークに達すると、私たちの頭はネガティブな思考でいっぱいになります。 「あと何キロだ…」「この坂、キツいな…」
この「思考のノイズ」こそが、あなたのエネルギーを奪う最大の原因です。 そんな時、僕が実践するのが、頭の中に「一本の、果てしない道」をイメージすることです。
その道には、脇道も、信号も、ゴールもありません。ただ、真っ直ぐな一本の線が、地平線の先まで続いているだけです。
そして、あなたにできることは、ただ一つ。 「絶対に、前の足よりも前に、次の足を出すこと」
この、当たり前で、しかし絶対的なルールだけに思考を集中させるのです。 右、左、右、左…。 目の前の一歩を、自分のペースで、ただ淡々と積み重ねていく。
この思考法は、あなたを「未来への不安」や「過去への後悔」から解放し、「今、この一歩」に集中させてくれます。この無駄のない、禅のような状態に入ることができれば、あなたは思考で疲れることなく、身体が持つ本来の力だけで、最後まで進むことができるのです。
思考法③:走り終えた先に「最高の報酬」を用意する


人間の意志は、あなたが思うよりずっと脆いものです。しかし、人間の「欲」は、驚くほど強力なエネルギーを生み出します。 この「欲」を、意図的に利用するのです。
ランニングに出かける前に、「走り終えた後の、最高のご褒美」を、具体的に設定してください。
- 「これが終わったら、キンキンに冷えたビールを飲むんだ!」
- 「あのお気に入りの寿司屋で、自分を労ってやる!」
- 「誰にも邪魔されず、朝までゲームをするぞ!」
何でも構いません。あなたが心から「最高だ!」と思えるご褒美を用意するのです。
僕も、食べる事が大好きなので、この方法は頻繁に使います。 「これが終わったら、最高のハンバーグを作って食べよう」 そう考えただけで、不思議と最後のひと踏ん張りが効いてくる。そして、走り切った後の食事は、いつもの何倍も美味しく感じられるのです。
この「報酬」は、あなたの脳に「ランニング=快感」という、強力な成功体験を刻み込みます。このサイクルを繰り返すことで、あなたのモチベーションは、意志の力ではなく、脳の仕組みによって、自動的に維持されていくのです。
まとめ:あなたの足は、あなたが思うよりずっと賢い
「止まりたい」と感じるのは、あなたの足ではなく、あなたの「頭」です。
あなたの足は、あなたが思っているよりもずっと賢く、そして力強く、あなたを前へ前へと運ぶ方法を知っています。
今回紹介した3つの思考法は、その賢い足の邪魔をする「頭の中のノイズ」を黙らせるための、僕なりのテクニックです。
この思考法が、あなたの「あと一歩」を支え、走り切った後の最高の達成感を味わうための、きっかけになれば幸いです。




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