ランナーを襲う「2つの地獄」
ゴールはまだ遠いのに、下腹部に突如として訪れる、あの絶望的な「波」。
順調にペースを刻んでいたはずが、脇腹をナイフで刺されたかのような、突然の激痛。
ランニング中にランナーを襲う「便意」と「横腹の痛み」。これらは、あなたの楽しいランニングライフを、一瞬で地獄に変える恐ろしい存在です。

はじめまして!このブログを運営するTomoyaです。
何を隠そう、僕もこの「2つの地獄」に何度も苦しめられ、挫折しかけた一人です。
この記事では、僕自身の数えきれない失敗から学んだ、この腹痛問題と正面から向き合い、克服するための「リアルな思考法」と「具体的な対策」の全てをお話しします。
第一の地獄:「便意」との闘いと、僕の悟り
【僕の体験談:あの日の絶望】
走り出して5km地点。トイレなどどこにもない、長い坂道の真ん中でした。突如として、あの「特徴的な波」がやってきたのです。
冷や汗が吹き出し、頭の中は「どう耐えるか」でいっぱいに。呼吸を整え、刺激を与えないように、すり足で進む。ピークが過ぎたと思ったら、また次の波が…。あの時の絶望感と孤独は、今でも忘れられません。
これの対処法は、最大限耐えるです。
途中でトイレがある場所ならいいですがなければ耐え続けます。
腹痛は、波があるのでピークは、頭の意識が飛ぶんじゃないかくらい全集中して乗り切り、波が引いたら次の波ができるだけゆっくり来るように刺激や呼吸に最大限注意して足を進めます。その繰り返しで何とか走り切って家に帰ります。走り切ってもトイレに座るまでは、絶対に油断してはいけません!!走っても歩いても波はいつでもやってくるので少しの油断が命取りになります。気持ちは早く、実際は冷静に。
【僕がたどり着いた「狂った」思考法】
何度も同じ経験をする中で、僕は、ある一つの「悟り」にたどり着きました。
それは、「最悪漏らしても、死ぬことはない」ということです。
馬鹿げていると思うかもしれません。しかし、この考えが僕を救ってくれました。服は洗えばいい。捨てて新しいものを買うきっかけになれば、むしろプラス。誰かに見られても、その場限りのこと。僕の人生には何の影響もない。
この「最悪の事態を受け入れる覚悟」が、不思議と心の余裕を生み、パニックを防ぎ、結果として最悪の事態を回避する力になるのです。
【腹痛を予防する、3つの具体的な対策】
とは言え、毎回覚悟を決めるわけにはいきません。この地獄を避けるための、具体的な対策は以下の3つです。
1.鉄則!ランの2時間前には食事を終える
食べ物が胃に残っている状態で走ると、体が重く感じたり、呼吸が苦しくなったりして、気持ち悪さや疲れやすさにつながります。これはランニングに直接影響を及ぼすため、注意が必要です。
どうしても何か食べたい場合は、消化に良いバナナや栄養補給ゼリーなどの軽食を選ぶのがおすすめです。
2.ご褒美は走った後に。食事をモチベーションに変える
ランニング後に「ご褒美の食事」を用意することで、体が軽い状態で走り始められ、気持ちよく頑張ることができます。その結果、達成感のあるランニングになります。
また、「帰ったら美味しい食事が待っている」というシンプルな報酬を設定することで、終盤のもうひと踏ん張りにも力が入り、気分もとても良くなります。
3.「食べ過ぎない」という哲学
「毒性学の父」とも呼ばれるパラケルススは、「すべての物質は毒であり、その服用量によって『薬』か『毒』かに分類される」と格言を残している事が、食事に関しても同様に「食べる量によってはエネルギーを生み出し活力となる「薬」になるが食べ過ぎるとそれらを失う「毒」になる。」僕のとても好きな言葉の一つです。
すべての物質は毒であり、その服用量によって『薬』か『毒』かに分類される
パラケルスス
腹痛の原理:補足
ランニング中に起こる腹痛の主な原因は、運動によって体が温まり、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になることで、排便を促すシグナルが発生するためです。
このとき、前日や数時間前に食べた食事が消化されて腸に届いていると、腸内に溜まった消化物が刺激となり、腹痛が起きやすくなります。特に、食べ過ぎていた場合はそのリスクが高まります。
また、食物繊維を多く含む食品(たとえばキノコやサツマイモなど)を摂取すると、腸の動きがさらに活性化され、排便が促進されるため、腹痛のリスクが一時的に高まる場合もあります。
こうした腹痛を防ぐためには、食事のタイミングや内容に気をつけ、運動前に腸内の状態を整えておくことが大切です。
第二の地獄:「横腹の痛み」の正体と攻略法
初心者の頃、僕を何度も苦しめたのが、この「横腹の痛み」でした。これは主に、呼吸の乱れによる横隔膜の痙攣が原因です。
一歩踏み出すたびに激しい痛みが走り、とてもじゃないけどランニングどころではなくなる――そんなつらい状況に悩まされることがあります。きっと、あなたも一度は経験したことがある、よくある悩みではないでしょうか。
パニックになる必要はありません。これは、あなたの体が「もっと酸素が欲しいよ!」とサインを出しているだけ。対処法は非常にシンプルです。
【僕を変えた、呼吸の科学】
僕は昔、「吸う」ことばかり意識していました。しかし、ある本(『呼吸の科学』)を読んで、それは間違いだと気づかされたのです。
重要なのは、「吐く」こと。
横腹が痛くなったら、ペースを落とし、「2秒吸って、3秒止め、4秒かけてゆっくり吐き切る」という呼吸を試してみてください。ゆっくり長く吐き切ることで、自然と深い呼吸ができるようになり、横隔膜の痙攣は嘘のように収まっていきます。
【姿勢も重要】
苦しくなると、つい顔が上がりがちですが、それは逆効果。顎を少し引き、姿勢を真っ直ぐに保つことで、気道が確保され、呼吸はさらに楽になります。
横っ腹や呼吸が苦しいときは、落ち着いてペースを落としてでも整える事を意識し苦しいかもしれないがあごを引いて全身でゆっくり呼吸する事で解消されて安定してきます。
ここは難しいですが矯正したほうが今後のランにもいい影響があり自分で呼吸をコントロールする感覚が身についてきます。
他にも足の痛みについてはこちらも記事で紹介しています。


それでも不安なあなたへ。「お守り」になるアイテム
これらの対策で、腹痛の9割は解決できます。しかし、大事な大会の前や、体調が万全でない日には、お守りがあると心強いですよね。
① レース前の「最終エネルギー補給」
どうしてもお腹が空いている時は、僕は消化が良く、すぐにエネルギーになる栄養補給ゼリーは必須です!
大事なランニングの前に摂るようにしています。これなら胃に負担がかかりにくく、安心です。
② 僕の考え方を変えた「知識の源」
呼吸法について詳しく知りたいなら、僕が参考にしたこの一冊は必読です。理論を知ることで、実践の質は格段に上がります。




まとめ
ランニング中の腹痛は、あなたのランニングライフを脅かす「敵」ではありません。
それは、「食事のタイミングが違うよ」「呼吸が浅くなってるよ」と教えてくれる、あなたの身体からの正直な「メッセージ」です。
その声に耳を傾け、正しく向き合う術を身につければ、あなたは腹痛を恐れることなく、もっと自由に、もっと遠くまで走れるようになります。
この記事が、あなたの「お腹の悩み」から解放される、きっかけになれば幸いです。
すべての物質は毒であり、その服用量によって『薬』か『毒』かに分類される
パラケルスス






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